「ビジネススキル」
この言葉を聞いた時に、いろいろなものを思い浮かべるでしょう。
マネジメント、コミュニケーション、文章力、資格、英語、等々…挙げればきりがないでしょう。仕事を経営を成り立たせるために必要なスキルというものはたくさんというのは直感的にわかると思います。
そんなたくさんあるビジネススキル、経営手法の中でも重要なスキルとして「マーケット感覚」というものを唱えている本があります。それがこちら。
この本は「マーケット感覚」というものについて書いた本です。この本を読むと、ビジネススキルの中でおっ最も大切な考え方を理解できるでしょう。
初心者が読むべきおすすめのマーケティング本でも紹介しました。とにかくわかり易くておすすめ。
[box02 title=”この記事はこんな人におすすめ!”]
- さぁ、マーケティングを勉強しよう
- 起業したい
- 経営のことについて勉強したい
- 就職、どうしよう?
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目次
この本の内容は目次を見ればわかり易いです。てか、わかり易い本って目次を見ると何となく何が書いてあるのかわかるんですよね。
序| もうひとつの能力
1| 市場と価値とマーケット感覚
2| 市場化する社会
3| マーケット感覚
4| すべては「価値」から始まる
5| マーケット感覚を鍛える5つの方法
終| 変わらなければ替えられる
大まかな内容
先ほども書いた通り、この本の目次に従って内容を紹介します。この本に関してはそのほうがわかりやすいと思ったからです。
では、進めていきますね。
1 マーケット感覚について
「序」と「1」でマーケット感覚という言葉について説明しています。マーケット感覚とは何か?これがわからないとこの本の中身の説明も難しいのでここで説明してしまいましょう。
マーケット感覚とは?
マーケット感覚とはざっくりいうと「市場を理解する力」、「取引されている場面を想像する力」、「価値を理解する力」ということができます。
本書の引用を用いると、次のようになります。
・商品やサービスが売買されている現場のリアルな状況を想像できる能力
p14より・顧客が、市場で価値を取引する場面を、客観的に思い浮かべられる能力
p14より・その市場で取引されている価値が何なのか、感覚的に理解できる能力
p22より
これくらい書けば、マーケット感覚とは何かわかっていただけると思います。ビジネスをするうえでものすごく大事な感覚なのではないかなと思いますね。では、話を進めていきましょう。
2 市場化する社会
つぎは社会が市場化されているという話に進みます。先程、マーケット感覚の定義に「その市場で取引されている価値が何なのか、感覚的に理解できる能力」とありました。
この章では、現代の社会では多くのものが市場化されているということを話しつつ、マーケット感覚の大切さを述べています。この部分を読むと、なんで市場を理解する力であるマーケット感覚が必要なのかがよくわかると思いますよ。
3 マーケット感覚で変わる世の中の見方
マーケット感覚を身に着けることで世の中の見方が変わるということを実例を交えつつ書いています。
マーケット感覚を身に着けると世の中で言われていること(英語が強みになる、社会貢献ならNPO等)が本当に正しいのか、実際の構造がどのようになっているのかがわかるそうです。
マーケットの話が分かると世の中で「なんとなくよさそう」と思われていることが本当に自分にとって良いのかを判断できるの良いところ。
4 すべては価値から始まる
この章で、マーケット感覚についてもう一つ定義がなされます。
市場と向き合う経験から得られる、市場に対する嗅覚や根源的な理解力です。
p106より
このような定義がなされたうえで、この「嗅覚」の中心は「価値を見極める力」だと説明しています。
この章では、価値について丁寧に説明がなされています。私たちがビジネスをして何かを売るときにその物の「価値」はいったい何なのか?これを見極めることができるようになるのではないでしょうか
5 マーケット感覚を身に着ける5つの方法
ここがこの本のメインどころです。この章でどのようにマーケット感覚を身に着けるかが5つのポイントにまとめられています。
簡単に要点を述べると、
1) プライシング能力を身に着ける
2) インセンティブシステムを理解する
3) 市場に評価される方法を学ぶ
4) 失敗と成功の関係を理解する
5) 市場性の高い環境に身を置く
です。それぞれの内容はこの本を買ってもらってのお楽しみとしておきます。
にしても、これは商売をしたい人であればぜひ読んでほしい。マーケット感覚はいわばマーケティングを理解するための基礎的な力。トレーニングをすることで起業をしたときに役に立つと思いますよ。
6 変わらなければ替えられる
この章は最後に衝撃的な内容を示しています。なにかというと、
組織にしろ、個人にしろ失敗しながらも学び、自分を変えていくことができなければほかの人、組織にとって代わられてしまう
ということです。世の中のスピードに比べて、自分の変化のスピードが遅いとお客様やほかの人に見限られて、新しいサービスが新しい主流になるということですね。
この章の一番最後の言葉を紹介します。ぜひ、意識したいことですね。
変化は恐れるものではなく、楽しむものなのだ
p250
たのしみましょ!
感想
この本を一通り読んで一番思ったのは、
この本にあるマーケット感覚はビジネススキルの中でも最も基本的なスキルだ
ということです。なぜなら、価値を理解し、お客様が商品を使う場面や取引に至るまでの状況をリアルに想像するということはマーケティング、もっと言うと商売の土台ともいえるだろうと感じたからです。
お客様がどのように考えて自分の商品までたどり着くのかを考えるということができないとせっかくマーケティングなどの経営の勉強をしても効果半減(もしかしたらそれ以下かも…)になってしまいますね。
それではもったいないです!
幸い、マーケット感覚は日ごろの訓練で身に着けることができそうです。この本にある豊富な実例を読んでもマーケット感覚の考え方がわかるでしょう。また、本書のマーケット感覚を身につける5つの方法を読むと、どんな考え方をすべきかがわかるのではないかなと思います。
この本を読むと、自分がどんなことを勉強していくべきか、どのように物事を考えてビジネスをしていけばいいのかを考えさせられます。
ぜひ読んでみてください。最も大切なビジネススキルを身に着けるすごくいい本だと思います。
この本の最後にある言葉を書いてこの記事を終わりにします。
すべての人が、「自分はいつ、どこでマーケット感覚を学ぶべきか」、キャリア形成の段階から計画的に考え、意識的にキャリア形成のプランに組み込むべきです。そしてみんな、市場性の高い場所で鍛えたマーケット感覚を活かし、もともと自分が価値を発揮したいと思っていた本来の分野で活躍すればいいのです。
本書p228
マーケット感覚は商売をする人、これから就職をする人等々社会とかかわりを持つ人であればぜひとも身に着けるとよいかなと感じました。