昨日、いつも飲んでいる野菜ジュースのラベルを眺めていたら「濃縮還元ジュース」と書いてありました。
これだけ書くと心底どうでもいいのですが、最近家でこんな会話をしたので記事にしようかなと思った次第でございます。
「そういえば、濃縮還元ジュースって栄養が少ないんだって」
たしかに、濃縮還元のジュースは栄養が少ないので飲む意味がないなんてことを聞いたことがあります。
しかし、本当なのでしょうか?調べてみました。
濃縮還元ジュースとは?
そもそも濃縮還元ジュースとは何でしょうか?ここはカゴメの公式HPをみるのが一番わかりやすいので確認します。
果汁100%ジュースの中にも濃縮還元ジュースとストレートジュースの2種類があります。
原料となる野菜・果実からジュースを搾汁した後、濃縮(水分を除く)し保管した濃縮原料に、再度水分を加え、元の濃度に戻す(還元)ことを「濃縮還元」といいます
カゴメの公式HPより
濃縮して、再び還元するから濃縮還元ジュース。非常にわかりやすいですね。
一方、ストレートジュースとは、フレッシュな野菜や果物をしぼり、その果汁を低温で保存したものを容器に詰めて販売するタイプのジュースのことだそうです。名前の通りストレートです笑
濃縮還元ジュースのメリット
ぱっと見、ステレートジュースの方が良さそうな気もします。なぜ、濃縮還元ジュースが多く販売されているのでしょう?
長期保存ができる
一番の利点はこれでしょう。
脳宇宿還元は水分を飛ばすので、微生物の繁殖を抑えることができます。そのため、保存期間を延ばすことができます。このおかげで私たちは野菜ジュースや果実ジュースを飲めるってわけですね。
低コスト
飲料をそのまま運ぶよりも水分を飛ばして容積を小さくした方が同じコストでより大量に運搬できるので運搬コストが安くなります。
季節によって味が変化しにくい
ストレート果汁は、果汁そのものなので、季節や果実の出来によっておいしさが左右されやすいです。しかし、濃縮還元ジュースは季節によって味が変化しません。
どんなときにも安定した美味しさが飲めるというのは非常にありがたいですね。
原料となる野菜・果実は収穫した時期、地域、品種等による品質のばらつきがありますが、「濃縮還元」により、原料野菜・果実の品質のばらつきを少なくし、また還元する濃度を一定にすることにより、安定した品質の商品をご提供することが可能になります。
カゴメの公式HPより
濃縮還元ジュースのデメリットについて
で、ここからがいよいよ本題。濃縮還元ジュースだと栄養素が落ちてしまうのではないかと言われていますが、実際はどうなんでしょうか?
濃縮還元ジュースの問題点として取り上げられるのは大きく2つ。香りと栄養価です。
1.香り
まず、香りは無くなってしまいます。これはカゴメのHPでも書かれています。濃縮中にジュースの香気成分が飛んでしまうからです。
ですから、濃縮還元ジュースは香料によって香りをつけています。
2.栄養素が落ちることについて
濃縮還元ジュースはストレートジュースよりも栄養価が落ちると言われていますが、実際はどうでしょうか?
カゴメのHPをみるとこんなことが書かれれています。
比較的低い温度でかつ短時間で濃縮できるため、香り以外の成分の変化が少なく、カゴメの「野菜一日これ一本」を含め、広く活用されている技術です。
ストレートタイプのジュースと濃縮還元のジュースと比べた場合、例えば、カゴメのストレートタイプのトマトジュースと濃縮還元のトマトジュースでは、栄養成分表示は同じ値です。
ただし、ストレートタイプ、濃縮還元など製法に関わらずジュースに加工する過程で、食物繊維・ビタミンCなど減少する成分があります。
カゴメの公式HPより
減ってしまう栄養素もあるそうですが、基本的には栄養成分はほとんど同じだそうです。
また、京都大学の及川氏がクッキングメタボロミクス(調理や加工による食品成分の変化を網羅的に解析する)という手法を用いて、濃縮加減ジュースの栄養素を分析しています。濃縮還元の方法によっても栄養素は変化するものの、栄養素が無くなってしまうということにはなっていません。
たしかに、ビタミンCをピンポイントで摂取したい人にとっては困ってしまう問題かもしれません。しかし、私たちはジュースをビタミンCだけのために飲むわけではないですよね?
ですから、栄養をとるために野菜ジュースを飲むという行動は意味があると言えます。
少なくとも果汁のないジュースや炭酸飲料を飲むのであれば野菜ジュースを飲んだ方が体のためです。
最後に
今回は野菜ジュースについていろいろ書きました。濃縮還元ジュースはどんなメリットがあるのか?本当に栄養があるのかについて調べたので、役に立てば幸いです。