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『奇跡のリンゴ』は無農薬のリンゴという無謀ともいえる挑戦の話だった!

奇跡のリンゴはぜったい面白いと思う

こんにちは!面白い本を求めて3000里。きよふみです。

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫)』という本を今読み始めています。

木村さんというリンゴ農家の方が無農薬でリンゴを作ることに挑戦し、成功するまでの軌跡を描いた本です。この方の作ったリンゴは「木村のリンゴ」なんて呼ばれていて、非常に有名です。

まだ、プロローグしか読めていないのですが、この本どう考えても面白い気配しかしません。

理由は大きく2つありまして、一つは大きな困難を乗り越えて成果を上げるというストーリーは胸を熱くするということ、もう一つは無農薬リンゴを作るということがめちゃくちゃ無謀であるということです。

今回はこの本が面白いと思うもう一つの理由である、「無農薬のリンゴ」について書いてみようと思います。

「無農薬のリンゴ」

という挑戦の意味が分かると、いかにこの本で達成したことがとんでもないことなのかを理解することができて、読書が面白くなることでしょう。

リンゴの素材画像

リンゴは農薬がないとほぼ育たない果物といっても過言ではない。

『奇跡のリンゴ』を読むうえで頭に入れておいたほうがいい事実が、「リンゴは農薬が必須と言われている果物」だということです。

農林水産省のデータによると日本のリンゴの推定収穫減少率(農薬を使わない場合の集荷雨量の減少量の推定)は97%という驚異的な数字です。これは農薬を使わないと今あるリンゴのほぼすべてが育たないという数字です。はっきり言って農業になりません。

ちなみに、アメリカではリンゴの収穫減少率は100%です。

つまり、リンゴは農薬がないと育てることができない果物なのです!

このデータを見れば、無農薬のリンゴを育てるということがいかに無謀で、無農薬のリンゴという存在がいかにイレギュラーかが想像できるでしょう。

農薬が必要な野菜は非常に多い

なんでリンゴはそんなにも農薬が必要なの?

農業のことにそんなに詳しくない私からすると、なぜりんごはそんなにも農薬が必要なのかがぴんと来ないわけです。

色々調べてみると、主な原因は「害虫対策」だとわかります。

リンゴに農薬を加えないと、害虫が増えてしまいリンゴを育てることができません。収穫量は大幅に減少し、品質にもダメージを与えてしまいます。昔の文献では無農薬のリンゴでは商品になるものは皆無なんていう研究結果もあるほどです。

収穫期における収量調査の結果,標準対照区を100とした対比では,無農薬区28と低く,商品になるものも皆無であった。

『無農薬で栽培したリンゴの病害虫による被害と樹体への影響』より

というわけで、リンゴは農薬を使わないと商品にならないというわけです。

農薬を使わなければ、リンゴを収穫することは出来ない。 現実のリンゴ栽培を知る人にとって、それは常識以前の問題なのだ

現代のリンゴ農家に言わせるなら、その考え方は甘いということになる。農薬を使わなければ、収穫が減るなどという生易しい話ではない。農薬を使わなければ、リンゴ畑は壊滅してしまうのだ

 

無農薬栽培を二年続ければ、リンゴの収穫はほぼ確実にゼロになるというわけだ。農薬を使わない限り、その状況を好転させることは出来ない

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫)』より一部抜粋

農薬の使い過ぎが引き起こす問題もある

とはいったものの、大量に農薬を使えばいいというわけでもありません。健康に影響があったり、商品イメージが悪かったり、環境にも悪影響があります。

農薬は、使い方を間違うと生物や環境に影響を与えてしまう薬剤や天敵です。その安全性は、登録制度によって審査され、安全が確保されるよう、作物への残留や水産動植物への影響に関する基準が設定され、この基準を超えないよう使用方法が定められます。

農薬の基礎知識 詳細(農林水産省)より

ですから、国の農業機構NAROではリンゴの栽培に使用する農薬を50%削減するなんていう取り組みもあったりします。

  1. 農研機構 東北農業研究センター【所長 岡 三德】は、農研機構 果樹研究所及び岩手県農業研究センターと共同で、「農薬50%削減リンゴ栽培技術体系」を開発しました。
  2. リンゴ栽培には、多くの病害虫が発生することから、生育期には10日間隔で延べ40成分回数以上の薬剤が散布されていますが、環境や作業者の健康への配慮などの観点から、農薬使用量の削減が求められています。
  3. そこで、交信かく乱剤など環境にやさしい資材を使い、岩手県特別栽培農産物認証制度に定める慣行レベル43成分回数(「ふじ」の場合)と比較して、その半分以下となる21成分回数の農薬で主要な病害虫を慣行栽培と同程度に防除できる体系を開発し、現地実証試験によって有効性を確かめました。
  4. 本研究の成果として「岩手県における農薬50%削減リンゴ栽培マニュアル」を作成しています。各地域のリンゴ栽培における農薬削減への取り組みが促進されると期待されます。

「(NARO)リンゴ栽培に使う農薬を50%削減」より

農薬を半分に減らすことが国のプロジェクトになっているわけですから、「無農薬のリンゴ」という発想がいかにぶっ飛んでいるかわかるでしょう。

誰も挑戦しようと思わないことに挑戦する心意気!

無農薬のリンゴが農薬を使ったリンゴよりも体にいいのか、おいしいのかというのはわかりません。

イレギュラーな商品が本当に良いものなのかという議論は今後も尽きることはないでしょう。

そういった議論は農業の専門家に任せるとして、今まで誰も挑戦しようとも思っていなかったことに挑戦するすごさというのは感じずにはいられないのです。挑戦は胸を熱くしますね!

まだまだ読み始めなので、語れる内容もそんなにありませんが、『奇跡のリンゴ』の話と農業の話は面白いですね!

『奇跡のリンゴ』は読み終わって、共有できる内容があったら紹介します。

農業の話は皆さんに紹介できる面白いネタがあったら記事にします。

参考文献

 

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kikki sato
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