本屋を舞台にして、ブックアドバイザーが主人公の漫画。
本屋さんの中にある何気ない日常と名作といわれる小説をめぐる話が軸となっています。全部で2巻+特別編の3冊と短いですが、「ちょっと本を読んでみようかな」と思える作品。
作品全体として大きなドラマやサスペンスはなく、本の紹介や書店員とお客さんの会話や書店員同士の会話がほぼすべてを占めています。そのせいで、「店長がバカすぎて」や「ビブリア古書堂の事件手帖」などと比べるとドラマチックな場面が少なく、人によっては退屈に思えてしまうかもしれません。
しかし、よく考えてみてください。私は毎日の生活の中で劇的な出来事、ドラマのような場面はめったに起こりません。本を読んで今まで気にならないことが目につくようになった、本を読んでいる人同士で会話が弾む、新しい会話が増えた。
このくらいでしょう。それでも本を読むことで起こった小さな変化が楽しいのです。
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本を読んでいて起こる小さな変化
この漫画を読みつつ本を読んでいると起こる小さな変化をまとめます。個人的には「あ~わかる」と感じることが多かったのですが、あなたはどうでしょうか?
①本を読んでいる人が目につく
自分が本を読み始めると、本を読んでいる人が目につくんですよね。
最近はスマホを触っている人が圧倒的に多いと思います。電車でも、学校でも、職場でも、家でも本を読んでいる人が珍しいので「あ、あの人も本読んでる!」となってうれしいのです。
じろじろ見ていると怪しいんですけどね。
書店員 波山個間子より
心理学ではカラーボス効果とかバーダーマインホフ現象とか言うらしいです。
カラーバス効果とは、特定のことを意識し始めると、日常の中でその特定のことに関する情報が自然と目に留まるようになる現象のことです。
マイナビニュースより
バーダー・マインホフ現象(または頻度錯覚)は、一度何かに気をつけた後、それについての情報や事例を頻繁に認識するようになる現象です。具体的には、新しい単語や製品、人などに初めて出会った後、それに関する情報がどこかで頻繁に現れるように感じることが多いです。
360より
②感想が言葉でスラスラ出てこない(意外と気持ち悪い)
読んでいるときにはいろいろ考えている時、多種多様な感想が思い浮かびます。
しかし、いざ感想を言葉にしようとすると面白いくらい出てこない。
「すごかった」「良かった」「面白かった」
本当はもっと、おしゃれな表現で感想を語りたい。それこそ読んだばかりの本のように心に刺さる言葉を使いたい。
書店員 波山個間子より
気持ちとは裏腹に今日も本を読んで「面白かった」という言葉を述べる今日この頃です。
③情報や物語に没頭できる度合いが強い
テレビもスマホも、タブレットも良いコンテンツであれば没頭できると思います。しかし、本の場合、特に紙の本では情報にのめりこみやすい気がします。
デジタルデバイスは他のコンテンツと異なり、本を読んでいるときは本しか手に持っていないことが多いです。そのため、紙の本だと特に内容に集中しやすかったりします。
書店員 波山個間子より
最後に
全2巻なので、さらっと読んでほしいです。
読書って良い趣味だよなと改めて感じれる漫画でした。作品中にある小さな人間模様も読書の楽しさを後押ししてくれます。