ローカルネタ

「逆開発」の発想から学ぶ都市開発で重要なポイント

駅前開発

この言葉って、地方に住んでいる人は必ず聞く言葉だと思うんです。私が現在住んでいる柏市でも柏駅周辺を開発しようという動きがあります。

関連記事:千葉・柏駅周辺の中心街、人口増目指す基本構想

商業施設の比率が高いJR柏駅周辺の土地利用を見直し、マンション開発などで住宅の割合を引き上げる。2040年には駅周辺の定住人口を1万7000人と現在のおよそ2倍に増やす目標を掲げる。まちなかに「商住」の機能をバランス良く配し、生活の利便性や街の魅力を高める。

千葉・柏駅周辺の中心街、人口増目指す基本構想より

地方になるといかに人を呼ぶかという話題は尽きないので当たり前といえば当たり前ですね。

地元の北柏の駅周辺も開発を現在進行形で行なっていますし(2018年10月現在)

北柏の開発が進んでます!「北柏駅北口土地区画整理事業」が漢字まみれでワロタwww今回は私の地元、柏市の北柏という駅で開発が進められているそうなので、情報をまとめます。柏市民としてはまとめておいたほうがいいかなと思った...

で、今回の話は地方の開発、特に駅前の開発の個性についてです。

「自分の街をどうやったら町おこしできるのか?」というテーマをに興味・関心がある方はぜひ読んでください。

地方の開発、再開発って個性なくない?

正直、地方の開発・再開発って個性がない気がするんです。

マンションやアパートを建てて、デパート等の大型の商業施設(柏の葉ではららぽーとでした)を建てて人とお金の流れを活性化させる。

自分の周りのちょっと人の多い地方都市の開発はすべて同じように見えてしまいました。

開発に携わっている皆様、気を悪くしてしまったらごめんなさい。

もちろん、住宅地と商業施設を作って人の流れとお金の流れを活性化させるのは重要です。でも、それだけだと東京の街をスケールダウンさせただけのように見えてしまうのは自分だけでしょうか?

せっかく地方都市を開発するのであれば、街の特色を生かした形で開発してほしいなと思うわけです。

「逆開発」という発想

そんなことを考えてみると、無印良品のサイトで特集していた「逆開発 ─戻すことで見えてくるもの─」という記事の発想は面白いなと思うわけです。

取り上げている駅は千葉県のローカル線、小湊鐵道(こなみとてつどう)の養老渓谷(ようろうけいこく)駅。読めない笑

ここでは逆開発という開発をしているそうです。

逆開発とは?

逆開発とは駅前のアスファルトをはがし、自然の姿に戻していく開発のことだそうです。

普通、開発というとアスファルトの道路を作り、商業施設など人口の建設物を作るわけですから、まさに「逆」の開発ですね。

小湊鐵道(こなみとてつどう)の養老渓谷(ようろうけいこく)駅の場合

無印良品研究所の記事を抜粋します。

駅前のロータリーを抜けて5分も歩けば豊かな自然があります。渓谷へと向かう遊歩道があり、房総第一の川・養老川に架かる橋へとつながっていく絶好のロケーション。「ある」ものの価値に気づくと、駅と自然との間をアスファルトが遮断していたことにも気づきます。「遮るものを省いていけば、そこにあるものが伝わるのではないか」─そんな考えから、アスファルトを撤去することになりました。

街の特長をじっくり考えると、逆開発をしたほうが良いという判断をしたのですね。自分の街を観察して強みを考えるというのは大切でしょう。

その地に昔から生えていた在来の広葉樹や落葉樹を植え、花の種をまき、約2000m²の駅前広場の敷地を10年がかりで雑木が茂る自然の森に戻していこうというのです。使い古した枕木を敷いたウッドデッキや枕木を積み上げたベンチも設置され、駅舎の前にあったバスロータリーは20m離れた県道沿いに移されました。

自然を森を駅に作るというのは勇気もいるでしょう。しかし、自然を豊かにさせて街の特長を前面に押し出すことで地域特有の産業も生まれるはず。

なぜ商業施設やアスファルト撤廃させるのかまできちんと考えたうえで自然を作っていることがわかります。

逆開発の結果

ていねいに植えられた樹木、その足元には季節の草花、駅舎の並びにある地場産品の販売所には地元の野菜や農家手づくりの梅干し、唐辛子味噌、栗おこわ、草餅などなど。その隣には養老渓谷温泉の湯を引いた「足湯」があり、足を浸してくつろいでいるうちに気持ちよくなってそのまま昼寝する人の姿もありました。

自然豊かな駅になることで新しい商売が始まっていることに注目。商業施設を建てることだけが買いう発ではないということですね。

開発をする上で大切なこと

開発の目的は

  • 人が来るようにする
  • 人が働ける場所を作る
  • お金の流れを生む

の3つがメインでしょう。ということは、自然豊かにしても上記3つが建っ説できればいいわけです。逆に、商業施設を建てても上記の目的が達成できなければ意味がありません。

この逆開発はよくニュースのボイコットで見るような「自然を守れ!」的なものとは違うことが重要です。

ボイコットのような「自然を守れ」は自然を生かして人が来る努力をすることなく放置していては、「何もしないのなら商業施設建てよ?」となります。

「商業施設を建てるのではなく、自然を守って街の特長を残した戦略のほうが町おこし的に良い」と示すことができて初めて逆開発や街の伝統を守る意義が生まれます。

ですから、ぜひ街の特長を整理したうえで、どうやったら街の特長や伝統を活かした開発・町おこしができるのかを考えましょう。

これだけは頭に入れて帰ってね!

商業施設、住宅を作るだけが開発ではない。町の特長を踏まえた街おこし、開発が重要

考えてみてね

自分の街の良さとは何か?具体的にしましょう。

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イチョウの木
はじめまして!このブログの管理人です。興味が広いので、気になったことを深堀下記事を書いて読者の方と感じたことを共有し合えればうれしいと思っています。
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POSTED COMMENT

  1. Nick より:

    にっきよさんに初めて投稿します。個人的に英語ディベートをやっているので、議論は好きです。逆開発の発想ですが、面白いと思います。しかし、柏には難しいと考えます。もともと、柏は1970年~80年にベットタウンと商業都市として発展してきました。つまり、人口増を背景とした商業都市が柏の一番の特長です。これが失われると、柏の特長は根底が崩れ、少子高齢化の急速な流れの中で都市の維持が難しくなると考えます。強いていえば、柏の葉キャンパスのような、文教地域が強いて新たに追加された特長です。日本の田舎の風景を増やすのは逆に個性がなくなります。ご指摘の理想像を描くためには、市長や議会がリスクを負うチャレンジする勇気と逆開発に向けた別途大幅な予算が必要となります。どうでしょうか?
    https://blogs.yahoo.co.jp/nickmatsuura

    • kikki sato より:

      Nickさん、こんにちは。コメントありがとうございます。英語ディベートですか!すごいですね!

      他の人にもSNSでコメントをいただいたときにも柏では逆開発は難しいのではないかという内容が多かったです。

      すでに、商業都市として発展しているので全ての施設を閉鎖するわけにもいかないでしょうから自分も紹介事例のような逆開発は難しいと思います。ですから、Nickさんのおっしゃる「柏には逆開発は難しい」のご意見は概ね、同意します。

      ただ、今回紹介した事例で逆開発が生まれた発想は柏市のアピールに役立つのではないかと思うんです。今回の事例で逆開発がなされた背景は街の強みを整理したときに自然と街がつながっていることが街の良さであるため逆開発がなされました。

      柏市も、街としての強みを整理したうえで「これぞ柏!」という強みや特徴が明確になれば柏市のよりアピールできるんじゃないかなって思うんです^^

      今回の記事も改めて「柏市らしさってなんだろう?」「その上で、柏市をもっとアピールするためには何をすれば良いのだろう?」ということを考えるきっかけになるのではないかと思って書かせていただきました。

      この記事を書いてSNSでも意見がたくさん生まれ、Nickさんのようなコメントをいただけたので、この記事を書いてよかったと思っています^^

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