今回は久しぶりに読んだこの本を紹介します。
100万部を突破したベストセラーです。アドラー心理学が流行ったのはこの本が売れたからといっても過言ではないでしょう。アドラー心理学の本の代表です。
自分がこの本に興味を持ったのはホリエモンからです。ホリエモンこと堀江貴文さんはものすごくこの本をお勧めしています。あまりにすすめているので、
「ホリエモンがこんなにも推しているなんて、この本そんなに面白いのかな?」
と思い、気になって買いました。結果としては非常に面白かったので買ってよかったです。
ではでは、そんなにも面白く、ためになったのか?なんてことを答えつつレビューを進めていくことにしましょう。
タイトル、著者、出版社
タイトル:嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
著者:岸見一郎、古賀史健
出版社:ダイヤモンド社
目次
第1夜 トラウマを否定せよ
第2夜 すべての悩みは対人関係
第3夜 他者の課題を切り捨てる
第4夜 世界の中心はどこにあるか
第5夜 「今、ここ」を真剣に生きる
大まかな内容
この本の大まかな内容はこの本の前書きがわかりやすいですね。
アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。
わかりやすいでしょ?
この本は最初から最後まで、
- 哲人が問いを出す
- 青年が答える
- 哲人が答える
- 青年が納得いかず疑問をいだく
- 哲人が再び答える
という問答の繰り返しです。一見、よくある展開なきもしますね。
では、この本では何が特徴的かというと、とにかく青年がごねりまくります。一見、あまり印象がよくないように思えるかもしれませんがこの青年がごねることでこの本は非常に読みやすく、わかりやすくなっていると自分は思います。
とにかくごねる青年
ちょっと頑固とか、そういうレベルではありません。基本的にけんか腰ですし、納得する気もない状態ですし、時には激高します。
面白いじゃありませんか、先生。今すぐ論破してさしあげますよ!
p6より
スタートから論破する気で話を聞いてます。話す前からけんか腰ってどうなんでしょう(笑)
そして、納得したのかと思えば、次の日(例えば、目次でいうと第1夜から第2夜へと変わったということです)にはもうけんか腰です。
以下の文は第4夜の初めの文章です。
危うくだまされるところだった!翌週、青年は憤然たる面持で扉をたたいた。
p174より
・・・(略)
もし、それを自由と呼ぶのなら、わたしは不自由であることを選ぶ!
「おいおい、もうちょっと穏やかにいこうぜ(笑)」
と突っ込みたくなりますね。
なぜにそんなけんか腰で、突っかかるのだろう。もう少し冷静に話せばいいのにそう思わざるを得ませんね。
では、青年がこんなにもけんか腰なのは読んでいる私たちにとってはどうかというと、結構ありがたいのです。
疑問が解ける!めっちゃすっきり!
青年がごねて、切れて、論破しようとけんか腰なおかげで、私たちはアドラー心理学の内容がしっかり頭に入ってきます。
私たちがこの本を読んでいて疑問に思うことは、大抵は青年が疑問に思って哲人に突っかかるので読み終わるころにはすっと理解できます。
そういう意味では「青年よ、もっと怒ってていいぞ」という感じでしょうか。おかげで読んでいる私たちは疑問をすっきりさせながら読み進めることができるのは自分はいいなと思います。
私たちは青年に突っ込みつつ哲人の言葉に耳を(この場合本なので「目を」かもしれないですね)傾ければ問題ないです。この本で伝えたいのであろうことはかなり理解できますよ。
この本を読んだらあとは実生活で一つでもいいから実践していくということになります。
アドラー心理学のポイントを一部紹介!
せっかくなので本書に書いてあるポイントを2点ほど紹介します。
1 トラウマは存在しない
まず一つ目は「トラウマは存在しない」ということです。なかなかに衝撃的に思えた人もいるでしょう。
どうやら、アドラー心理学では「トラウマ」という概念を否定しています。何かが起こったせいで今の状況があるという原因論を否定しています。
アドラー心理学では、私たちはみな何かしらの目的に沿って行動し生きているという目的論を採用しています。
本書の言葉を借りると次のようになります。
「いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも失敗の原因でもない。われわれは自分の経験によるショックーいわゆるトラウマーに苦しむのではなく、経験の中から目的にかなうものを見つけ出す。自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである」
p29,30より
2 行為ではなく存在を認める
なかなか難しいことを言うな~と思いました。
ここに存在しているだけで、価値がある。
p208より
他者のことを「行為」のレベルではなく、「存在」のレベルで見ていきましょう。他者が「何をしたか」で判断せず、そこに存在していること、それ自体を喜び、感謝の言葉をかけていくのです。
p209より
自分はこれを読んでいて、できていないと~と感じます。わかっていても忘れてしまいます。ついつい、相手が何かをしてくれることを期待してしまいます。そして、期待とずれがあると相手に腹を立てたりしてしまいます。
人を存在のレベルで信頼して、信じるというのは難しいものです。自分が相手を信じても相手は信じてくれないかもしれない。そう思うと相手を存在のレベルで見るというのも抵抗を感じるかもしれません。
しかし、自分がまず相手を信じることが大事です。
「誰かが始めなければならない。ほかの人が協力的でないとしても、それはあなたに関係ない。私の助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。ほかの人が協力的であるかどうかなど考えることなく。」
p212より
まずは自分から始める。このスタンスは大切にしたいですね。
アドラー心理学を片付けに取り入れる「アドラー式片付け術」
最近、「アドラー式片付け術」というものが話題になっているそうです。
アドラー心理学で心を整理するには、どう考えれば良いのでしょうか。一般的に、物事は「原因論」(物事には原因があるから今の結果があるという考え)で見ることが多いのですが、アドラー心理学では「目的論」で考えるそうです。
心では「物が多いことが自分のためになる。片づかないほうが都合が良い」と判断して、片づけを行動に移せないでいるのです。
心の中にこうした無意識の「目的」があることで、現在の片づかない事態を生んでいることに気づくことが、とても大切だそうです。自分が何のために部屋に物をあふれさせているのか、その目的が分かると、問題への対処がしやすくなるからです。
片づけられない原因を考えるのではなく、「目的」をはっきり明確に持つことが成功の秘訣なのだそうです。
片づかない悩みあれこれ、アドラー心理学の応用で解決に導きます。より
アドラー心理学では原因論的な「トラウマ」は否定しているのは先ほども書いた通りです。
結局、「~だから片付けられない」というのも、そうやって片付けられない理由を正当化のために作っているということができます。
文字にするとちょっと冷たい感じがするかもしれませんが、要は理由を作って片付けられないことを嘆くのではなく、自分が片付けられないといって片付けないようにしているのは何のためなのかを考えることが大切だということです。
感想
この記事の最初に書いていた疑問を覚えてますか?そう、「ホリエモンがこんなにも押しているなんて、この本そんなに面白いのかな?」です。
感想の最初にその答えから言いましょう。答えは文句なしで”Yes!!”です。
非常に面白かったですし、ためになりました。
自分がどのような思いを選択をしていくべきかを見直し、今この瞬間を大切にすることを学ぶことができました。
周りがどうだとか、人と比べるということではなく、自分だけの人生を集中して生きるための心構えを見直すことができるというのはとても貴重なことですよね。
あなたもぜひ、自分の心を見つめなおしてください。