エネルギーの分野で最近よく耳にする「デマンドレスポンス(Demand Response :DR)」という言葉をご存知ですか?なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は私たちの生活や地球の未来にとって、とっても大切な取り組みなんです。
そこで、この記事を含めいくつかの記事でデマンドレスポンスとは何かを学び電力システムにおいてどのような意味を持っているのかを解説します。
この記事は総集編、まとめ記事になります。デマンドレスポンスについて、「名前は聞いたことがあるけど、詳しくは知らないな…」という方から、「もっと深く学んで授業や研究の役に立てたい!」という方まで、幅広いニーズに応えられるように、様々な情報を整理してお届けします。
この記事を読めば、デマンドレスポンスの基本的なことから、ちょっと専門的な内容まで、まるっと理解できちゃいますよ!さあ、一緒にデマンドレスポンスの世界を探検してみましょう!
この記事でわかること – 各記事へのご案内 –
このブログでは、デマンドレスポンスについて、以下の7つの記事で詳しく解説していく予定です。それぞれの記事へのリンクは、完成次第こちらに追加していきますので、お楽しみに!
目次 非表示
- 1.【初学者向け】デマンドレスポンスとは?電気の需給バランスを保つ仕組み(ターゲット:①中高生、一部②大学生)
- 2.【基礎編】デマンドレスポンスの種類:下げDRと上げDR、料金型とインセンティブ型(ターゲット:①中高生、②大学生)
- 3.【仕組み解説】日本におけるインセンティブ型デマンドレスポンス(ネガワット取引)の仕組み(ターゲット:②大学生)
- 4.【参加メリット・注意点】デマンドレスポンスに参加するメリットとデメリット、注意すべき点(ターゲット:②大学生、一部①中高生)
- 5.【技術解説】デマンドレスポンスを支える技術:スマートグリッド、IoT、VPPなど(ターゲット:②大学生、③大学院生)
- 6.【研究動向】デマンドレスポンスに関する最新の研究動向と技術(ターゲット:③大学院生)
- 7.【応用編】ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)におけるセルフデマンドレスポンスの概念と運転検討(ターゲット:③大学院生、一部②大学生)
- どの記事から読むのがおすすめ?
- 最後に
1.【初学者向け】デマンドレスポンスとは?電気の需給バランスを保つ仕組み(ターゲット:①中高生、一部②大学生)
「電気の需要と供給ってどういうこと?」そんな疑問を持つ初心者さんでも大丈夫!デマンドレスポンスの基本のキを、身近な例え話を使って優しく解説します。なぜ今DRが必要なのか、その理由も一緒に見ていきましょう。
デマンドレスポンスの基本的な定義を、身近な例え話を用いて分かりやすく解説します。加えて電気の「同時同量」の原則や、再生可能エネルギーの特性に触れ、DRの必要性を理解を促します。
(1)こんな人におすすめ
- 「デマンドレスポンス」という言葉を初めて聞いた中高生。
- 電気の需要と供給のバランスについて基本的なことを知りたい人。
- エネルギー問題に関心を持ち始めたばかりの人。
(2)この記事で学べること
- 電気の需要と供給が常に一致する必要がある「同時同量の原則」の基本的な概念。
- デマンドレスポンス(DR)が、電力の需給バランスを保つための取り組みであることの理解を深める
- 再生可能エネルギーの導入拡大が、DRの必要性を高めている背景。
2.【基礎編】デマンドレスポンスの種類:下げDRと上げDR、料金型とインセンティブ型(ターゲット:①中高生、②大学生)
デマンドレスポンスには、いくつかの種類があるんです。電気を使う量を減らす「下げDR」と増やす「上げDR」。料金でコントロールする「料金型」と、頑張った分だけ特典(インセンティブ)がもらえる「インセンティブ型」。それぞれの仕組みと、どんな時に必要になるのかを分かりやすくご紹介します。
(1)こんな人におすすめ
- デマンドレスポンスの種類について知りたい中高生、大学生。
- 下げDR(需要を減らす)と上げDR(需要を増やす)の違いを理解したい人。
- 電気料金型DRとインセンティブ型DRの仕組みと特徴を把握したい人。
(2)この記事で学べること
- 電力需要が少ない時に需要を増やす「上げDR」と、多い時に減らす「下げDR」の具体的な内容
- 電気料金の変動によって需要をコントロールする「電気料金型DR」のメリット・デメリット
- インセンティブの提供によって需要を制御する「インセンティブ型DR」の仕組みと、どのような場合に有効か
3.【仕組み解説】日本におけるインセンティブ型デマンドレスポンス(ネガワット取引)の仕組み(ターゲット:②大学生)
日本では、特に「インセンティブ型」のデマンドレスポンスが注目されています。その中でも「ネガワット取引」という仕組みが中心になっているのですが、一体どんな流れで、誰が関わっているのでしょうか?その疑問をスッキリ解消します!
日本で主流となっているインセンティブ型DR(ネガワット取引)の具体的な流れを解説します。
電力会社、アグリゲーター、需要家のそれぞれの役割を明確にし、取引の全体像を理解しましょう。
(1)こんな人におすすめ
- 日本で主流となっているインセンティブ型DR(ネガワット取引)の仕組みに関心のある大学生
- ネガワット取引において、電力会社、アグリゲーター、需要家がどのような役割を担っているのかを知りたい人。
- 自身がデマンドレスポンスに参加する際の流れをイメージしたい人。
(2)この記事で学べること
- 日本におけるインセンティブ型DRの中心的な仕組みである「ネガワット取引」の具体的な流れ
- 電力会社がアグリゲーターにDRを要請し、アグリゲーターが需要家に依頼する連携の仕組み
- 需要家が電力需要を抑制することでインセンティブを得るまでのプロセス
- アグリゲーターが、多数の需要家を束ねて電力会社との取引を仲介する重要な役割
4.【参加メリット・注意点】デマンドレスポンスに参加するメリットとデメリット、注意すべき点(ターゲット:②大学生、一部①中高生)
「デマンドレスポンスに参加すると、どんないいことがあるの?」気になるメリットはもちろん、ちょっと注意しておきたいデメリットやポイントもご紹介します。「自分にもできるかな?」と思ったら、ぜひ読んでみてください。
- 需要家がDRに参加することで得られる電気料金の削減、インセンティブ、エネルギー使用の効率化、地球温暖化防止への貢献などのメリットを解説します。
- DR参加における電気使用量の把握の必要性や、条件による制約、報酬に関する注意点などを説明します。
(1)こんな人におすすめ
- DRに参加することでどのようなメリットが得られるのかを知りたい企業や家庭。
- DRに参加する際に注意すべき点やデメリットについて事前に把握しておきたい人。
(2)この記事で学べること
- デマンドレスポンスに参加する需要家が得られる、電気料金の削減、インセンティブ、エネルギー使用の効率化、地球温暖化防止への貢献といったメリット。
- ◦DR参加前に認識しておくべき、電気使用量の把握の必要性、条件による制約、報酬に関する注意点などのデメリット。
5.【技術解説】デマンドレスポンスを支える技術:スマートグリッド、IoT、VPPなど(ターゲット:②大学生、③大学院生)
デマンドレスポンスは、最新の技術によって支えられています。「スマートグリッド」や「IoT」、「VPP(バーチャルパワープラント)」といったキーワード、聞いたことはありますか?これらの技術が、どのようにDRを実現しているのかを解説します。
アグリゲーターが活用するVPP(バーチャルパワープラント)の概念と、DRとの関連性も説明します。
(1)こんな人におすすめ
- デマンドレスポンスを技術的な側面から理解したい大学生、大学院生
- スマートグリッド、IoT(モノのインターネット)、VPP(バーチャルパワープラント)といったキーワードに関心のある人
- これらの技術が、どのようにDRの実現を支えているのかを知りたい人
(2)この記事で学べること
- デマンドレスポンスを実現するために重要なスマートグリッド、IoT、スマートメーターなどの技術の役割。
- アグリゲーターが多数の分散型エネルギーリソースを統合制御し、あたかも一つの発電所のように機能させるVPP(バーチャルパワープラント)の概念
- VPPがDRサービスを提供する上で、どのように活用されているかの関連性。
6.【研究動向】デマンドレスポンスに関する最新の研究動向と技術(ターゲット:③大学院生)
デマンドレスポンスは、今も進化し続けている分野です。どんな研究が進められているのか、どんな新しい技術が開発されているのか。論文の情報を参考にしながら、より専門的な内容を掘り下げてご紹介します。
提供された論文情報を活用し、DRに関する最新の研究テーマ、技術的な手法(例:マルコフ連鎖、最適化アルゴリズム、クラスタリングなど)、実証実験の事例などを解説します。
また、経済性評価や課題、今後の展望など、より専門的な内容に踏み込みます。
(1)こんな人におすすめ
- デマンドレスポンスに関する最新の研究テーマや技術動向に関心のある大学院生。
- DRの経済性評価、課題、今後の展望についてより専門的な知識を深めたい研究者。
- 論文情報に基づいた、より詳細なDRの手法や事例について学びたい人
(2)この記事で学べること
- 提供された論文情報に基づいた、DRに関する最新の研究テーマや技術的な手法の例(例:マルコフ連鎖 など)。
- DRの実証実験の事例や、大規模DR、住宅顧客のDR応答評価 など、具体的な研究内容の一端。
- DRの経済性評価や、普及に向けた課題、今後の展望など、より専門的な視点からの考察。
7.【応用編】ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)におけるセルフデマンドレスポンスの概念と運転検討(ターゲット:③大学院生、一部②大学生)
エネルギーを賢く使う建物「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」では、なんと建物自体がデマンドレスポンスのような役割を果たす「セルフデマンドレスポンス」という考え方があるんです。
こちらではZEB化建物における「セルフデマンドレスポンス」の概念を解説します。
また、論文で紹介されているような、蓄熱や蓄電を用いた電力需給の最適化に関する運転方法やシミュレーション結果などを紹介します。
(1)こんな人におすすめ
- ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)におけるエネルギー管理に関心のある大学院生、一部大学生
- 建物自体がデマンドレスポンスのような役割を果たす「セルフデマンドレスポンス」の概念について知りたい人
- ZEBにおける蓄熱や蓄電を用いた電力需給の最適化に関する運転方法やシミュレーション結果に興味のある人
(2)この記事で学べること
- エネルギー消費を抑え、創エネを行うZEBにおける「セルフデマンドレスポンス」という独自の概念
- ZEBが電力系統への負荷を最小限に抑え、エネルギーを自立に近い状態で運用するための手段
- 論文で紹介されているような、蓄熱システムや蓄電池を活用した電力需給の最適化に関する運転方法やシミュレーション結果の概要
どの記事から読むのがおすすめ?
•「デマンドレスポンスって初めて聞いた!」という方は、まずは 1.【DR初心者さん向け】 から読み始めるのがおすすめです。
•「基本的なことは知っているけど、種類や仕組みを整理したいな」という方は、 2.【DRの種類を知ろう!】 や 3.【仕組みを解明!】 をチェックしてみてください。
•「参加してみたいけど、メリットや注意点が気になる」という方は、 4.【参加してみよう!】 が参考になるはずです。
•「デマンドレスポンスを技術的な側面から理解したい」という方は、 5.【技術がスゴイ!】 へ進んでみましょう。
•「最新の研究動向や、より専門的な知識を深めたい」という方は、ぜひ 6.【研究の最前線!】 や 7.【未来の建物?】 を読んでみてください。
最後に
このまとめ記事が、皆さんのデマンドレスポンスへの理解を深める第一歩となれば幸いです。それぞれの記事では、さらに詳しく、分かりやすく解説していきますので、ぜひ気になるテーマから読み進めてみてください。
これからも、エネルギーに関する様々な情報を発信していきますので、どうぞお楽しみに!