中学3年生になると√(ルート)という記号を頻繁に使うことになります。ちんぷんかんぷんな人も多いでしょう。しかし、悲しいことにテストによく出ます。
最低限の知識をこの記事にまとめておきますので、何とか赤点を回避してください。
平方根とは?
2乗するとaになる数をaの平方根といいます。
例えば、2乗すると4になる数は \(\pm 2 \)ですね。この場合、4の平方根は\( \pm 2 \)といいます。
√(ルート)とは?
aの正の平方根を\( \sqrt{a} \)(ルートa)と書きます。
例えば、2の平方根は\( \sqrt{2} \)と\( -\sqrt{2} \)と書くことができます。まとめて\( \pm \sqrt{a} \)と書くことも多いです。これで、整数などで表記できない平方根を表すことができます。
√(ルート)を外せるときは外す
\( \sqrt{2} \)のようにこれ以上変化できない場合はこのままで問題ありません。しかし、\( (\sqrt{a})^2 \)のようであれば、aと表記することができます。このようにルートを外せるときは外しましょう。
例えば、\( \sqrt{4} \)であれば\( 4=2^2 \)ですので、\( \sqrt{4} \)ではなく、2と表記しましょう。
公式 \( \sqrt{a^2b} = a \sqrt{b} \)
ルートの中を素因数分解して2乗になる数があればルートの外へ出すことができます。
例題
\( \sqrt{24} \)
24を素因数分解すると、\( 24=4 \times 6 = 2^2 \times 6 \)となり、2の2乗が現れます。ですので、
\( \sqrt{24}=\sqrt{2^2 \times 6} =2 \sqrt{6} \)となります。
平方根の掛け算と割り算
平方根の掛け算と割り算の計算のやり方をまとめます。
教科書などではよく公式という形でまとめられることが多いです。しかし、公式として覚えるほどではないので計算のルールとコツを紹介します。
平方根の掛け算と割り算のルール(公式)
平方根同士の計算は文字式と同じような感覚で計算できます。
平方根の掛け算
\( \sqrt{a} \times \sqrt{b} = \sqrt{ab} \)
平方根の割り算
$$ \sqrt{a} \div \sqrt{b} = \frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}}= \sqrt{\frac{a}{b}} $$
平方根の掛け算と割り算の計算のコツ
①ルートの中を素因数分解する
②上記のルールに従って計算をする
素因数分解をするのは面倒かもしれませんが、この手順を一回挟むと計算のミスが減り、計算が楽になると思います。下の例題をやって確認しましょう
平方根の掛け算と割り算の例題
以下の計算を行いなさい
$$ (1) \sqrt{3} \times \sqrt{15} \\(2) \sqrt{35} \div \sqrt{7}$$
解答と解説
$$ (1) \sqrt{3} \times \sqrt{15} $$
まずは素因数分解をしてみましょう。
3はこれ以上できません。15は3×5と素因数分解できます。これを式にしてみると、
$$ (1) \sqrt{3} \times \sqrt{15}=\sqrt{3} \times \sqrt{3 \times 5} $$
この時点で3が二つ出ていることがわかりますか?これで、\( \sqrt{a^2b} = a \sqrt{b} \)の形にできますね。
$$ \begin{align*} \sqrt{3} \times \sqrt{3 \times 5} &= \sqrt{3^2 \times 5}\\ &= 3 \sqrt{5} \end{align*}$$
$$ (2) \sqrt{35} \div \sqrt{7} $$
これも35を素因数分解してみましょう。35=7×5ですね。
$$ \sqrt{35} \div \sqrt{7}=\sqrt{7 \times 5} \div \sqrt{7} $$
これで7と約分できそうなことがわかると正解に近づきます。では、割り算の計算ルール
$$ \sqrt{a} \div \sqrt{b} = \sqrt{\frac{a}{b}} $$
に当てはめてみましょう
$$ \begin{align*} \sqrt{7 \times 5} \div \sqrt{7} &= \sqrt{\frac{7 \times 5}{7}} \\ &= \sqrt{5} \end{align*} $$
分母の有理化
分母にルート(平方根)がある場合、そのルートを分母から外す操作を「分母の有理化」といいます。これにより、計算がしやすくなります。
有理化の手順
例えば、次の分数を考えてみましょう。
$$ \frac{a}{\sqrt{b}} $$
分母に \(\sqrt{b}\) があるので、これを有理化します。そのために、分子と分母に同じ \(\sqrt{b}\) を掛けます。
$$ \frac{a}{\sqrt{b}} \times \frac{\sqrt{b}}{\sqrt{b}} = \frac{a \sqrt{b}}{(\sqrt{b})^2} $$
ここで、(\sqrt{b})^2 = b \) なので、
$$ \frac{a \sqrt{b}}{b} $$
となり、分母からルートがなくなりました。
例題
例1
$$ \frac{5}{\sqrt{2}} $$
分母を有理化します。
$$ \frac{5}{\sqrt{2}} \times \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}} = \frac{5 \sqrt{2}}{2} $$
例2
$$ \frac{3}{2\sqrt{5}} $$
分母を有理化します。まず、分子と分母に \(\sqrt{5}\) を掛けます。
$$ \frac{3}{2\sqrt{5}} \times \frac{\sqrt{5}}{\sqrt{5}} = \frac{3\sqrt{5}}{2 \times (\sqrt{5})^2} $$
(\ sqrt{5})^2 = 5 \) なので、
$$ \frac{3\sqrt{5}}{2 \times 5} = \frac{3\sqrt{5}}{10} $$
補足
高校になると、分子を有理化することもありますが、まずは分母の有理化に慣れておきましょう。
平方根の足し算と引き算の計算方法
平方根はルートの中が同じであれば足し算、引き算ができます。手順を下の書いておきます。
①\( \sqrt{a^2b} = a \sqrt{b} \)の形があれば\( a \sqrt{b} \)にする
②ルートの中身が同じものを足し算、引き算する
平方根の足し算と引き算の例題
(1)\( 3\sqrt{2}+ \sqrt{3}+ \sqrt{2} \)
まずは、\( \sqrt{a^2b} = a \sqrt{b} \)の形の形を探します。今回はありませんね。
では、ルートの中身が同じものを足しましょう。今回は\( \sqrt{2} \)が足し算できますね。足し算の仕方は文字式と同じ要領です。
\( 3\sqrt{2}+ \sqrt{3}+ \sqrt{2} =(3+1)\sqrt{2}+ \sqrt{3}=4\sqrt{2}+ \sqrt{3} \)
(2)\( \sqrt{5}+ \sqrt{20}-4\sqrt{5} \)
まずは、\( \sqrt{a^2b} = a \sqrt{b} \)の形の形を探します。\( \sqrt{20} \)は 20=4×5=2^2×5なので、\(\sqrt{20}=2\sqrt{5} \)とできます。
\( \sqrt{5}+ \sqrt{20}-4\sqrt{5} =\sqrt{5}+ 2\sqrt{5}-4\sqrt{5} \)
では、ルートの中身が同じものを足しましょう。今回はすべて中身が5なので足し引き出来ますね。
\( \sqrt{5}+ 2\sqrt{5}-4\sqrt{5}=(1+2-4)\sqrt{5}=-\sqrt{5} \)
最後に
今回は平方根の定義と計算方法を一気に学習できるような記事を作成しました。
平方根は中学3年生で初めて学ぶ考え方なので初めはうまく計算できないかもしれません。しかし、慣れればすらすらできると思います。問題を解くときにこの記事のまとめを活用してください。
テストで赤点を免れたい、中3の学習に向けて予習したいという方のお役に立照れれば幸いです。
この記事では十分な問題量を確保できませんので、学校の問題集を活用してください。もし、学校の問題集がしっくりこない人は基礎的な問題集で演習量を確保してください。